英検2級は高校生が目標にすることが多い資格試験です。
ただ私はすべての英語学習者に達成してほしい英語力の1つと考えています。
英検2級で出題される英語の範囲とレベル
(語彙・文法・リスニング・ライティング)
英検2級には高校で学ぶ英語のほとんどの範囲が出てきます。(学習指導要領に準拠)
英検準2級が「基礎的な内容」であったのに比べて、より広い内容、応用が出来ることが特徴です。
いわゆる共通試験レベルということもできます。
(高校学習指導要領に沿って作られています。)
語彙は5000語レベル。準2級から2000語の上積みが必要です。
文法に関しては学習指導要領に記載されている内容はすべて出てきます。
高校学習指導要領では以下の文法事項が示されていて、このなかで高校初期ものは準2級にも出てきます。
・不定詞の用法
・関係代名詞の用法
・関係副詞の用法
・接続詞の用法
・助動詞の用法
・前置詞の用法
・動詞の時制
・仮定法
この中で準2級では出てこなかった応用的な内容が英検2級では出てきます。
具体的に紹介します。
過去完了形、関係詞What+色々な形、接続詞(once/even though/as if/unless)、
分詞構文、過去完了の受け身、関係詞+仮定法/使役動詞、関係詞+挿入、
接続副詞の省略、過去完了進行形、WHの名詞節、進行形の受け身、
完了の分詞構文、sure that SV、名詞節のwhether、接続副詞that、have A 形容詞、
助動詞(used to)、不定詞の受け身、過去完了の受け身など
ただし、英検2級で新たに出る内容はごく一部で、
これまでの組み合わせがメインです。
英検準2級をギリギリで合格した人はここで壁にぶち当たります。
一方、しっかりと力を付けて英検準2級を通過した人はあまり苦労せずに2級も合格していきます。
リスニングは英検準2級より、速く、長くなります。
英検2級はようやく自然なスピードで「ゆっくり目」の音源になります。
ただし音声変化は少なめ。WPMは145程度。ですね。
これまでリスニングのトレーニングをしていないとかなり苦労します。
一方準2級までリスニングにもしっかり取り組んだ人にとってはそこまで大きな壁はないでしょう。
過去問を使ってトレーニングを少しすれば得点源にできます。
ライティングは英検準2級とレベルは変わりませんが、
語数が1.5倍に増えます。
英検準2級でしっかりライティングの力を付ければ特に対策は必要はありません。
何度か過去問で練習をすれば合格点になります。
むしろ英検準2級の準備をする頃から、
英検2級を見据えてライティング準備をすることがおすすめです。
英検2級のライティングを高得点で突破出来れば、
英検準1級でもライティングで困ることはあまりありません。
英検準2級に合格する英語力
必要な力は中級の語彙力(5000語以下)、高校英語初級の文法力、基礎的なリスニング力です。
合格するだけならそこまでレベルの高いテストではありません。
英検準2級を高得点(85%以上)で合格した人なら、
語彙とリスニングの強化(例えば文で覚える単熟語1冊)のみで合格することもよくあります。
逆に基礎力がないと受かるのに相当苦労する(むしろ出来ない)
ことも英検2級の特徴です。
高得点で合格できる人は今後の英語学習でスムーズに進むチケットを持っています。
TOEICの対策も英検2級が取れない人には早すぎるでしょう。
TOEIC400点代で停滞する人は英検2級レベルの知識がないことが原因です。
逆に英検2級を高得点で受かっている人は、
単語とリスニングのトレーニングでTOEIC600点を突破していきます。
合格までの学習時間の目安
2つのケースで見ていきます。
・準2級までスムーズに学習を進めて高得点で合格した人
:単語集1冊、英語の読み方の参考書1冊、リスニングトレーニング、
ライティング練習、過去問
→60~80時間が目安です。
・1から始める場合:3級レベル20~80時間+準2級50~70時間+2級60~80時間
→130~230時間。
英検2級の内容はコミュニケーション上、「相手の話すことを理解する最低限の英語力」です。
カジュアル会話では英検2級レベルの受信力がないと「理解不能」の連続が発生します。
英検2級の内容が話されてもしっかり理解できる、準2級の内容で発信ができる、
というのはNonNativeにとって「使える英語」の最終目標の1つになりえます。
英語学習者にとって英検2級は必ず達成してほしいステップですね。
英検2級を取得するメリットなど
高校入試では優遇が顕著になり、私立高校では80点保証など、多くの優遇があります。
大阪府では公立高校入試でも英検2級取得で英語得点の8割換算があります。
しかも大阪府の難関高校向け問題であるC問題では英語の受験者平均点5割以下という現状があります。
そのため英検2級が実質大阪の難関公立高校の受験資格となっているといっても過言ではありません。
大学入試でも英検2級から本格的に優遇措置が始まります。
学校の入試以外では、英検2級が基礎力の基準の1つとなります。
大学生、社会人でTOEICを目指す人で500点以下の場合はまず英検2級を目指しましょう。
英検2級を高得点で合格した人は語彙を付ければTOEIC600点はすぐに達成できます。
そこからリスニングのトレーニングをすれば700点も遠くありません。
英検3級の高得点→英検2級の高得点はこれからの英語学習を占う大事な指標となります。