英検とTOEICのリスニング難易度リスト
英検のリスニングとTOEICのリスニングでは大きく内容が異なります。
最も大きな違いは長さとスピードです。
この違いは特に英検準1級から顕著になります。
結論から言うと、英検は長い、TOEICは速い、です。
今回は英検の各級とTOEICのPart3/4を比べて、
難易度を把握していきたいと思います。
目次
英検各級とTOEICのリスニング問題比較
※英検リスニング問題は2022年の過去問から分析
※TOEICリスニングは公式問題集9から分析
※WPMとは1分間に話される語数でスピードの単位
※最速と記載のものは各Partの最速だった問題の数字
※そのほかは各Partの平均(3~6題)
資格試験のPart | 語数 | 長さ(秒) | WPM(スピード) |
3級Part1 | 14.5 | 7 | 124 |
3級Part2 | 25 | 12 | 125 |
3級Part3 | 32 | 14 | 137 |
3級Part3前半 | 27 | 14 | 115 |
3級Part3後半 | 35 | 14 | 150 |
準2級Part1 | 26 | 12.7 | 122 |
準2級Part1後半 | 24 | 10.5 | 137 |
準2級Part2 | 42 | 21 | 120 |
準2級Part3 | 53 | 25 | 127 |
準2級Part3後半 | 52.5 | 23 | 137 |
2級Part1 | 61 | 24 | 152 |
2級Part1後半 | 60 | 22.5 | 160 |
2級Part2 | 65 | 27.5 | 142 |
2級Part2後半 | 66 | 26.5 | 149 |
準1級Part1 | 77 | 33.5 | 138 |
準1級Part1後半 | 83 | 36 | 138 |
準1級Part2 | 147 | 72 | 122 |
準1級Part2最速 | 145 | 67 | 130 |
準1級Part3 | 92 | 43 | 128 |
準1級Part3最速 | 87 | 35 | 149 |
1級Part1 前半 | 94 | 39 | 144 |
1級Part1 後半2問 | 204.5 | 84 | 146 |
1級Part2 | 200 | 94 | 127 |
1級Part2 最速 | 202 | 88 | 137 |
1級Part3 | 145 | 60.5 | 143 |
1級Part3 最速 | 148 | 55 | 161 |
1級Part4 | 516 | 180 | 172 |
1級Part4 2022年2回 | 582 | 187 | 186 |
Part3最速 | 104 | 28 | 223 |
Part4最速 | 105 | 32 | 197 |
Part3最長 | 111 | 40 | 166 |
Part4最長 | 111 | 40 | 166 |
次からはレベルの近い級で比べていきましょう。
英検3級と英検準2級の差
資格試験のPart | 語数 | 長さ(秒) | WPM(スピード) |
3級Part1 | 14.5 | 7 | 124 |
3級Part2 | 25 | 12 | 125 |
3級Part3 | 32 | 14 | 137 |
3級Part3前半 | 27 | 14 | 115 |
3級Part3後半 | 35 | 14 | 150 |
準2級Part1 | 26 | 12.7 | 122 |
準2級Part1後半 | 24 | 10.5 | 137 |
準2級Part2 | 42 | 21 | 120 |
準2級Part3 | 53 | 25 | 127 |
準2級Part3後半 | 52.5 | 23 | 137 |
まず英検3級と英検準2級では出題形式に大きな違いがあります。
英検3級では唯一音源が2回再生されるんです。
これだけで難易度がぐっと下がります。
一方スピードは英検3級も英検準2級もほとんどかわりませんね。
むしろ今回の調査では英検3級の最後の問題が
英検準2級より速いという結果になりました。
ただし2回再生なので難易度は圧倒的に低くなりますが。
一方、長さは英検準2級のほうが英検3級の約1.5倍になっています。
あと当然リスニングで使われる文法項目も
英検準2級のほうが難易度が高くなっています。
続いて英検2級を確認しましょう。
英検準2級と英検2級の差
資格試験のPart | 語数 | 長さ(秒) | WPM(スピード) |
準2級Part1 | 26 | 12.7 | 122 |
準2級Part1後半 | 24 | 10.5 | 137 |
準2級Part2 | 42 | 21 | 120 |
準2級Part3 | 53 | 25 | 127 |
準2級Part3後半 | 52.5 | 23 | 137 |
2級Part1 | 61 | 24 | 152 |
2級Part1後半 | 60 | 22.5 | 160 |
2級Part2 | 65 | 27.5 | 142 |
2級Part2後半 | 66 | 26.5 | 149 |
英検準2級と英検2級のリスニングの差はなんといってもスピードです。
英検2級はゆっくりですがかなり自然なスピードに近づいています。
また長さも英検2級のほうが全体的に少し長くなっています。
語数を比べると問題当たりの情報量の違いがよくわかります。
語数でみると英検2級のリスニングのほうがかなり多いですね。
英検2級のリスニングでしっかり理解できること、
はリスニング力の大事なステップとなります。
次は英検2級と英検準1級を比べていきましょう。
英検2級と準1級の差
資格試験のPart | 語数 | 長さ(秒) | WPM(スピード) |
2級Part1 | 61 | 24 | 152 |
2級Part1後半 | 60 | 22.5 | 160 |
2級Part2 | 65 | 27.5 | 142 |
2級Part2後半 | 66 | 26.5 | 149 |
準1級Part1 | 77 | 33.5 | 138 |
準1級Part1後半 | 83 | 36 | 138 |
準1級Part2 | 147 | 72 | 122 |
準1級Part2最速 | 145 | 67 | 130 |
準1級Part3 | 92 | 43 | 128 |
準1級Part3最速 | 87 | 35 | 149 |
英検2級と英検準1級ではスピードはほとんど変わらないんです。
今回の調査ではむしろ英検2級のほうが速い問題があります。
特筆すべきは英検準1級のリスニング問題の長さですね。
特に鬼門とされるPart2では1分超えの問題が出題されます。
遅いが長い、が英検準1級リスニングの特徴です。
ほかに英検準1級ではイギリス発音が登場したり、
会話問題で口語的な省略が頻出します。
Part2に関しては固有名詞も厄介です。
英検2級を合格した直後に英検準1級のリスニングをすると
別次元に難しく感じられるはずです。
次は英検準1級と英検1級、TOEICのPart3/Part4を比較していきます。
英検準1級と英検1級、TOEICのPart3/Part4を比較
資格試験のPart | 語数 | 長さ(秒) | WPM(スピード) |
準1級Part1 | 77 | 33.5 | 138 |
準1級Part1後半 | 83 | 36 | 138 |
準1級Part2 | 147 | 72 | 122 |
準1級Part2最速 | 145 | 67 | 130 |
準1級Part3 | 92 | 43 | 128 |
準1級Part3最速 | 87 | 35 | 149 |
1級Part1 前半 | 94 | 39 | 144 |
1級Part1 後半2問 | 204.5 | 84 | 146 |
1級Part2 | 200 | 94 | 127 |
1級Part2 最速 | 202 | 88 | 137 |
1級Part3 | 145 | 60.5 | 143 |
1級Part3 最速 | 148 | 55 | 161 |
1級Part4 2023年3回 | 516 | 180 | 172 |
1級Part4 2022年2回 | 582 | 187 | 186 |
Part3最速 | 104 | 28 | 223 |
Part4最速 | 105 | 32 | 197 |
Part3最長 | 111 | 40 | 166 |
Part4最長 | 111 | 40 | 166 |
まずは英検準1級とTOEICです。
長さは英検準1級とTOEICのPart3/Part4が同程度です。
注目すべきはスピードで、TOEICのほうが圧倒的に速いです。
TOEICはほぼニュース英語のレベルとなっています。
一方、英検準1級のPart2はTOEICの2倍近い長さがありますね。
続いて英検1級も比べましょう。
英検1級はPart4を除いて英検準1級とスピードは変わりません。
長さは英検1級では基本的にほとんどが1分を超えてきます。
英検1級のPart2が平均90秒となっています。
英検1級のリスニング問題は長い、と言えますね。
スピードは英検1級でもTOEICよりずいぶんとゆっくりです。
英検は長い、TOEICは速い、は1級にもあてはまります。
英検1級のリスニング問題の最大の特徴はPart4です。
この問題のみ、TOEICなみのスピードで、
しかも長さは3分半あります!!
英検1級の意地を見せつける問題ですね。
2問しかないので実際には合否には影響することはありません。
しかし、ニュースなどに挑戦するときにいい目標になる問題です。
どうやって英検とTOEICを英語学習に活用するか
以上、みてきたように英検2級以上はギャップが大きくなっています。
私は資格試験を挑戦するときにおススメするルートをご紹介します。
まずは英検3級の高得点が1つ目のステップです。
中学レベルの文章系単語帳(こちらを参照)で
リスニング学習もまかなうことができます。
そのあとは英検2級を目指していくのがおススメです。
リスニングは英検準2級の過去問で練習すると、
よい準備になるでしょう。
英検2級で高得点が取れるようになったら、
TOEICの700点を目標にすると無理がありません。
Part1/Part2のリスニングトレーニングから、
Part3/Part4へと順に進めるのがおすすめです。
TOEIC800点前後で英検準1級の語彙とリスニングを
取り組むと英語力の幅広さにつながりますよ。
以上、英検とTOEICのリスニング難易度についてまとめました。
英検各級とTOEICのリスニング問題の違いを
うまく活用して英語力の向上につなげましょう。