英検に新しい級ができる⁉

英検協会から発表があり、2025年に新しく1つ級を新設するとのことです。すでに来年2014年にはライティング問題を変更して新形式に対応するとの発表がありますが、さらに改革は加速するようです。今回の記事では新設される級のレベルや導入の背景などについて英検協会の発表とHirokiの考察をご紹介します。

英検協会のHPはこちら

準2級と2級の間に新しい級を新設

新設級のレベルは英検準2級と英検2級の間となるそうです。

理由として挙げられているのは「英検準2級と英検2級には大きなギャップがある」という点です。その根拠として英検準2級の合格者が英検2級を合格するのに「13か月~21か月かかる」というデータが引用されていました。私の肌感覚ではそこまでのギャップを感じていませんでしたが、英検5級~英検2級のなかでは最も所要時間が長いようです。

2級と準1級のギャップのほうが大きいのでは?

今回の発表に対して「英検2級と英検準1級のギャップのほうが大きい」という声が多数あがりました。これは私の感覚にも近いです。データで確認していきましょう。英検のすべてのテストはCEFR対応のCSEスコアで表すことができます。以下は英検準2級~英検準1級の合格CSEスコアです。

受験級一次試験合格スコア二次試験合格スコア合計合格スコア前の級との差
3級11033531456
準2級13224061728272
2級15204601980252
準1級17925122304324

あれ?むしろ英検準2級→英検2級がCSEスコアの差が最も小さいですね。そしてやはり英検2級→英検準1級はギャップが大きいようです。語彙レベルやリスニングの長さを考えてもこの点は納得です。そして細かく見ると英検のデータでも英検2級→英検準1級はさらに所要時間が長いというグラフになっています。

ではなぜ今回の新設級はこのレベルになったのでしょうか。考察していきましょう。

新設級の目的

英検協会の発表によると今回の新設級の目的の1つに「高校生の学びに寄り添い、高校2年生にふさわしい英語力が身に付いたことを客観的に示す」ことが挙げられています。

私はこれが今回の新級設置の肝だと考えています。英検は学校教育との関わりが強く、今でも文部科学省が後援しています。また英検5級~英検2級の各級の範囲は公教育のガイドラインである学習指導要領の範囲で作られています。学習指導要領は2019年に改訂がありましたが、2024年の新形式導入もこの指導要領改訂に対応するという側面も発表されています。具体的に英検各級と公教育の学年を見ていきましょう。

英検級学年
5級中学1年
4級中学2年
3級中学3年
準2級高校1年(今回明示)
2級高校3年

これまで英検2級は「高校卒業レベル」、英検準2級は「高校中級レベル」としていました。高校卒業レベルは3年レベルと言えますが、高校中級レベルははっきりしない表現ですね。そこで今回の発表です。英検準2級を1年レベル、新級を2年レベルと明言されました!こう考えるとこれまでなかった高校2年レベルを新設することに納得できます。そして英検準2級→英検2級に「13か月~21か月かかる」というのも納得です。学年差でいうと2年ありますので。

「高校生の学びに寄り添い、高校2年生にふさわしい英語力が身に付いたことを客観的に示す」

今回の目的を考えると「公教育で英語を学ぶ生徒たちに無理なく成果を確認する場を提供したい」と解釈しました。ここから考えるとなぜ英検2級と英検準1級の間に新設しなかったかも理解できます。英検2級で高校卒業レベルなので、それ以上は公教育から離れます。今回はまず空いていた穴を埋めたのではないでしょうか。

新級は今後どう活用されるか

まずは英検の発表したように高校2年生の学習成果確認があります。他には共通テストを受ける前に英検準2級→新設級と回答して距離感を測ることも考えられます。共通テストも指導要領に準拠していますのでかなりよい指標になるはずです。他には中学入試や高校入試ですね。現状では英検準2級での加点や点数読み替えがありますので、当然新級にも適用されるはずです。

個人的には2024年に追加されるライティング問題の内容に注目しています。2024年からライティング問題が1題追加され、英検準2級はemailを返信する問題、英検2級では要約問題が出題されます。新設級はどちらになるでしょうか。非常に気になります。

まとめ

今回は英検の新設級について英検協会の発表のご紹介と背景について考察をしました。私は受験生目線での良い改定と感じています。英語講師目線での今後の活用予測についてもお話しました。資格試験は学習継続の良いツールですので活用して英語力を高めていきましょう。

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