科学的な英語学習の今回は文法編です。
このサイトでは文法は「語順と語形の変化」ととらえています。
(文法に対する考え方は文法講座も参照)
科学的な文法学習とは
外国語習得の研究では文法には「形式(形)」「意味」「場面」の3つの側面があるとされています。
まず形式とはそのまま文法項目の取る形のことです。
動詞+ed、be +ing(現在分詞)、be + en/en(過去分詞) 形容詞+er / more+形容詞、名詞+s
のように語形の変化が「形式」です。
次に意味はその形式が表すことです。
動詞+ed:が付くと過去形「~した」、be +ing(現在分詞):が進行形「~している」、
be + en/en(過去分詞):が受身「~された」形容詞+er / more+形容詞:比較級「~より・・」、
名詞+s:は複数形「~ら/たち」
意味の説明には↑のように日本語の訳語がよく当てられます。
厄介なのが日本語と英語は別の言語なので、意味と訳語があってなかったり、
過不足があったりして混乱することがあります。
(理解しやすいことも多いですが)
最後に「場面」はその文法を使う場面です。
または「どんなことを言いたくてその文法を使うか」です。
例えば人にアドバイスをするときにshouldを使うとか、
いわゆる命令形を使うとかです。
これは話者の意図が文法に現れていると考えることもできます。
この場面についてはあまり触れられることが少ないのですが、
私はこれこそが文法学習の核だと考えています。
主語の省略+動詞の原形:命令形「~しなさい」と覚えていても、
Have a nice day.
Don't be shy.
といった表現の意図を理解することはできませんし、使うことができません。
科学的な文法学習の1つ目は場面も意識して文法項目を学ぶことです。
残念ながら市販の教材で基本的な文法項目の「使用場面」について
まとめたものが少ないので、本サイトの文法講座を立ち上げた経緯もあります。
(総合英語や文法書には一部あります。ほかにあれば是非教えてください!)
形式と意味についてはすでに英語教育業界で注目されきましたので、
さらに「場面」を学ぶことでよりコミュニケーションツールとして文法を有効に使えるようになります。
具体的には場面について記載をされた書籍などがあればよいですが、
それ以上に多読、多聴といったインプットを増やすことで身に付けることが可能です。
結局は実際に使われている場面に多く触れることが一番の方法だからです。
外国語習得の研究でも「説明で学んだことよりも触れながら学んだ内容のほうが使える」とされています。
理解可能な大量のインプットが文法の定着に必要なので、
学習の初期から可能な限り英語に多く触れることが2つ目の科学的な文法学習となります。
「量が質を生み出す」ということですね。
最後に実際に学んだ文法項目を使うことで「アウトプット効果」が得られます。
理解に基づいて使用→相手に伝わるか試す→伝わったらOK/伝わらなかったら修正
というプロセスがより自然な文法使用を促します。
また(会話で)ある程度間違いをしないと文法は習得されないとされていて、
「ミス」=「上達の材料」と考えることが重要です。
会話の機会のない方でもWritingで使ってみるなど、「アウトプット→フィードバック」
を得る機会を持つようにすると効率的に文法項目を習得することが可能です。
科学的な文法学習をまとめます。
・文法項目を使う場面を多くのインプットから学ぶ。可能なら参考書からも学ぶ。
・実際に使ってみることで使用の正しさを試す。
・ライティングなどで使ってみる。可能であればフィードバックをもらう。
先日とあるインフルエンサーが文法参考書の内容で自作の英文を作っていたと話されていました。
またオンライン英会話で使いながら覚えたとも。
科学的に裏付けされた学習法の体験談といえるかと思います。
多くのインプットが不可欠ではありますが、
理解の定着に「使用場面」を解説した当HPの文法講座もご活用ください。