2024年度英検新形式の内容発表

本日英検協会のHPにて2024年度から始まる新形式の内容について発表がありました。

英検の該当HP

以前の記事 ではライティングの問題が追加されること、それが要約問題であることをご紹介しました。今回はさらに「解答例」「問題追加によって時間調整のため減る問題」が追記されています。詳しく見てみましょう。

新形式の変更点

まずはライティング問題が追加されることで、語彙問題と長文問題が減らされます。長文は準2級以上では1つ大問(3問または4問)がなくなります語彙問題は級によって異なりますが、3~7問減ることになります。ここでの注目は英検1級と英検準1級の違いです。これまでリーディングの問題数が41問ずつだったのが、新形式ではそれぞれ35問と31問に。その差は語彙問題で1級は3問減なのに対し、準1級は7問減です。これまでどちらも語彙問題が61%を占め、非常に語彙重視の問題でしたが、新形式では1級は63%に増加準1級では58%に減りました。まだ割合が高いと思いますが、今後1級はさらに語彙重視の試験になります。加えて準1級で語彙のスコア比率がさがることで、語彙問題が原因のリーディングの減点が低くなり、これまでよりも語彙力が低い状態でも合格するケースが出てきます。これまで以上に準1級合格後から1級語彙へのギャップが広がるケースが増えそうです。個人的には準1級の58%でも高すぎて、TOEIC並みの25%でもいいのでは、と思います。

各級新設のライティング問題の解答例

続いては各級で新設されるライティング問題の解答例を確認していきましょう。

まずは英検3級の問題です。質問に答えて、2文追加という内容です。難易度はそれほど高くないでしょう。面接試験で似たようなことをします。会話の練習が役立つでしょう。

続いて準2級です。自分で質問を2つして、メールの相手からの質問にも答えます。質問をするタスクも会話練習で準備すると効果的ですね。反対に質問に答えるのは現行のライティングタスクや面接の回答と同じです。準2級もそれほど難易度は高くないでしょう。

2級以上は課題文を要約する問題が追加されます。2級では約150語を45~55語に要約します。つまり1/3にまとめます。解答例を見ると1段落目はトピックの導入、2段落目と3段落目は対立するアイデアを対比する形で少し例など補足情報も触れる内容です。キーセンテンスで簡単な言い換えはしていますが、かなりの表現を課題文から使用している印象です。また1/3「も」情報が残せるので、意外と詳細が残っていると感じます。要点をまとめる、というよりは全体をコンパクトにする、くらいのイメージです。要約問題の一番のポイントは実質リーディングを兼ねる点です。課題文理解をして、段落間のつながりを分かっていないとどこを解答に使うのかがはっきりしないと思います。また今回のように対比構造を意識して情報を入れる必要があるので、段落ごとに書くと事故る可能性が高いです。そして2級を受ける方はまだリーディング力が高くないため、大変なタスクになるのでは、と考えます。一方で1/3「も」情報を残せるので目の前の課題文からなんとなく情報を持ってきてもある程度のスコアは出そうです。高得点は難しいでしょうが、大崩れもないのでは、と現状では推測します。注意点としては段落の対比を意識して書くためにはまずは全文を読んで、メモで段落のつながりをまとめ、そこから書き始める必要がありそうです。

続いて準1級をみていきましょう。準1級は200語程度の課題文を60~70語にまとめるタスクです。やはり1/3も情報が残せます。ここでも2段落目「より多くの人が博物館に行く」3段落目「実際は同じ人ばかり」という対比を解答にいれていますね。他にもaddtionallyやalthoughのような流れを表す箇所も含まれているので、ひとつのヒントになるかもしれません。そしてやはり段落間のつながりを分かった上で書き始めたほうがよさそうです。また準1級では2級よりも言い換えが多くなっています。ここは評価の対象になるかもしれません。

最後は1級です。約300語の課題文を90~110語にまとめます。やはり1/3です。

ここでも段落間のつながりを意識する必要がありそうです。解答例1行目のbody of waterとありますが、1段落目では中国の川以外の情報がありません。2段落目に砂を取る場所は一般的にbody of waterとあるので1段落目のまとめに2段落目で確認できる情報が入っています。3段落目も2段落目で記載の問題とその対処法とin responseとつないで解答しています。この流れを分かっていないと2段落目のまとめで答えをどこでとるか迷うと思います。やはり全文を読んでから流れをメモして回答するほうがよさそうです。

まとめ

3級と準2級は難易度はこれまでと変わらないでしょう。質問文でのやりとりなので会話経験が生かされるでしょう。2級、準1級、1級の要約問題は全体の把握がキーです。そしてリーディング力も試されます。一部の問題は減りますが、実質リーディングが増え、しかも正確に理解する必要があるので、書く時間まで考えたらこれまでより相当急がないといけなくなりそうです。そして要約問題ではありますが、1/3とかなり多くの情報が残せます。「要点を集約する」というよりは「全体をまとめる」ようなタスクに感じました。

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